#43 大前提に大切なのは〇〇!?

心理的安全性は「空気感」から始まる 〜感情だけじゃない、“感覚”も大事にしよう〜

2月の最終週。今月は「心理的安全性を構成する4つの因子」についてお届けしてきましたが、
今回はそれらの土台となる「環境」について取り上げます。

これまでの4つの因子は、どれも人と人との関係性に関わるものでした。
しかし、その前提には「心地よくいられる空間」があることが必要不可欠。
安心感を生み出すには、感情だけでなく、「感覚」も大切にするべきなのです。

体感覚も心理的安全性に影響する

安心感の「感」は、感情だけでなく「体感覚」を指します。
寒い、暑い、眩しい、臭い、うるさい等これらすべてが、私たちのストレスになり得ます。

たとえば、エアコンの温度設定。家庭でも職場でも、誰もが一度は揉めたことがあるはず。
夏は冷房、冬は暖房。その快適さの感じ方は人によってまちまちで、
誰にとってもちょうど良い温度というのは、なかなか見つかりません。

同様に、柔軟剤や香水、汗の匂い、照明の明るさなども人によって感じ方が異なります。
匂いで頭が痛くなる人もいれば、まったく気にならない人もいる。
だからこそ、「みんなにとって不快にならない環境設定」を話し合ってつくることが、
心理的安全性を高める上で非常に大切になってきます。

理性ではコントロールできない「感覚」にこそ配慮を

「心頭滅却すれば火もまた涼し」とは言いますが、毎日そんな我慢を強いられては、誰だって疲れてしまいます。
環境の快適さを整えるには、理性よりも対話が必要です。

  • 寒がりの人のためにブランケットや電気毛布を用意する
  • エアコンの風が当たらないように席の配置を考える
  • 匂いに敏感な人のために換気のタイミングを工夫する
  • 汗をかいた後に使える汗拭きシートを常備する

こうした工夫は、「チームで話し合って決める」ことが大切です。
上司が一方的に決めるのではなく、メンバー全員で「どうしたら快適に過ごせるか?」を考える。
そうすることで、押し付けられている感覚もなくなり、チーム内の信頼関係も深まります。

「やりやすい職場」はみんなでつくるもの

環境の不快感は、言葉にしづらいことも多いです。
でも、「これちょっとキツいな」と感じたら、それはあなたがワガママなのではなく、「改善のヒント」かもしれません。

話し合いの中で、「実は柔軟剤がキツくて…」「エアコンの風が寒すぎて集中できない」といった声が上がることで、
みんなが配慮し合えるようになります。小さな工夫でも、積み重ねが大きな安心につながるのです。

「話しやすさ」の前に、“心地よさ”を整える

著書『心の扉を開く4つの鍵』でも、「見た目」や「感覚(感)」が心理的安全性に直結すると語られています。
つまり、話しやすさや助け合いといった因子の前段階に、「快適な環境」があるのです。

心地よい空間づくりは、誰か1人に任せるのではなく、チーム全体で取り組むもの。
自分自身も、周りの人も、「ここにいていい」と思える場所を目指して
ぜひ、環境整備にも目を向けてみてください。

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