今回は、結婚前の男女に知っておいて欲しい結婚のことについてお伝えします。
結婚前の学びの重要性と課題
結婚前に結婚について学ぶことは重要ですが、実際には難しい面もあります。
通常、結婚の話というと、結婚したお友達から、あるいは自分の家族や両親から聞くことが多いですが、
そうすると内容が身近な例に限られてしまう傾向があります。
身近にロールモデルになるご夫婦がいらっしゃる方は、結婚して「ああいう風になれたらいいな」というイメージを
持ちやすいでしょう。
しかし「そうなるためには実際どのようなことが必要なのか」については、見て真似るだけでは到底達成できないことが
多々あります。
それぞれに夫婦の形があるので、単純に真似をするのは難しいのです。
現代社会における結婚観の変化と課題
結婚に関しては、令和の時代になっても昭和的な価値観が根強く残っているのが現状です。
私が婚活中の方々によくお伝えしているのは、この点についてです。
例えば、「女性は男性をお財布代わりとして見る」あるいは「男性が女性を家政婦として見る」といった認識が
今でも存在しています。
これは単なる偏見ではなく、男女のDNAに刻まれた本能的なものかもしれません。
歴史的に見ると、男性は狩りを通じて食料を確保する役割を担ってきました。
現代社会では、この「必要な食べ物」が「収入」に置き換わったと言えるでしょう。
そのため、高収入の男性が優秀とみなされる傾向が今でも残っています。
一方、女性は子育てや家庭の管理を担当し、男性が仕事から帰宅した際の休息の場を整える役割を果たしてきました。
こうした歴史的背景から、男性が無意識のうちに女性にこの役割を期待することがあるのです。
しかし、現代社会では性別による役割分担が曖昧になっています。
主夫として料理が得意な男性もいれば、家事が不得意な女性もいます。
したがって、男女の役割を単純に二分することは難しくなっています。
ただ、頭では理解していても、実際に異性と接する際に自分の利益を優先して考えてしまう人を多く見てきました。
独身の方向けのセミナーにおけるアドバイス
独身者に向けたセミナーでは、主に二つのアプローチを実践しています。
まず、「自分に対してして欲しいことを挙げてもらい、今それをしてくれそうな人を探す」という方法です。
これは自分のニーズを明確にし、それに合った相手を見つける手助けとなります。
次に、「自分が絶対にされたくないこと」を挙げてもらいます。
そして、そういった人と向き合うための方法をお伝えします。
この過程で、「こうすると出会う人の質が変わってきますよ」というアドバイスもしています。
ただし、そもそも人間はそれぞれ違うので、自分がして欲しいことを完璧にしてくれる人というのはまずいません。
自分がやって欲しいことを瞬時に汲み取ってくれるエスパーのような人は存在しないのです。
自分で伝えるか、自分が率先してやって見せるしかありません。
結婚相手を選びにおける重要な感覚
結婚相手を選ぶ際には、自分の感覚、特に「不快」の感覚に注意を払うことが重要です。
私たちは動物の本能として「快」と「不快」の感覚を持っていますが、特に「不快」をキャッチする感覚が鋭いと言えます。
どんなに条件が良く、自分の希望に沿った素敵な人であっても、その人が「自分のして欲しくないこと」をした瞬間に、
不快な感情が大きくなります。その結果、結婚相手の候補から外れてしまうこともあるでしょう。
素敵な人が自分の「して欲しくないこと」をした時に感じるのが違和感です。
「あれ?」と思っても、その人は他の面で自分の期待に応えてくれるので、この違和感を見過ごしてしまうことがあります。
しかし、後になってそれが二人の関係にじわじわと悪影響を及ぼすことがあるのです。
ですから「自分がされて嫌なことをしない」ということは、結婚相手を選ぶうえでは非常に重要なポイントだと言えます。
結婚前に「結婚について」を学ぶことの意義
結婚前に学ぶ最大の意義は、自分がされて嫌なことを明確に表現できるようになることです。
これにより、相手はそれを避けることができます。
つまり、お互いが不快に感じることを回避できるようになるのです。
結婚する際には、すでにお互いの嫌なことを理解した状態からスタートできます。
いったん結婚してしまうと、状況を改善することに限界があります。
なぜなら、問題の根底を変えるのはなかなか難しいからです。
教会で行われる結婚前カウンセリングなどは、この点で大きな意味を持ちます。
結婚式までの期間を使って自分たちの関係について深く考えることで、たとえ根本的な部分を変えるのが難しいとしても、
結婚前にそれに気づくことができるのです。
自分と相手の「やって欲しいこと、やって欲しくないこと」を発見し、妥協点を見つけていくのが夫婦としての作業だと
考えています。
結婚前に結婚について学ぶことはとても大切です。
特に、自分がされて嫌なことを明確にし、相手と共有することが重要です。
理想を追うより、お互いの不快を避けることに注力し、双方が快適に過ごせる良い関係を築いていきましょう。
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