

全国の新入社員たちが一歩を踏み出した4月1日、今年は荒れた天候の中での入社式となりました。
嵐のようなスタートを切った2025年度。
その後の1ヶ月で、彼らがどう成長したのか、周囲の関心も高まっている頃ですが、
私自身も新規事業として飲食店を立ち上げ、まさに「ゼロからのチームづくり」を経験しました。
オープン初日からエプロンを手に奔走する日々の中で見えてきたのは、
「目立つ人」だけが成果を出すわけではないという、大切な気づきでした。
経験者が目立つ中で、静かに力を発揮する人たち
飲食業界では、経験者と未経験者の差が如実に出やすいものです。
私の店舗でも、主婦や飲食経験者がリーダー的に動きやすい一方、
学生やフリーターなどの若いスタッフたちは、最初こそ目立ちませんでした。
ところが、1ヶ月を経てみると、
若いスタッフたちの「理解力」や「観察力」が際立ってきました。
1度教えたことをきちんと覚え、ミスが少ないんです。
派手なパフォーマンスはないけれど、確実に職場に良い流れを生み出していたのです。
「みんなで決めよう」が生む主体性と連帯感
新店舗という「前例のない現場」では、日々の運営そのものが実験の連続です。
昨日決めたルールが、翌日には変更される。
そんな変化の中で、私は「みんなで決めよう」という姿勢を貫きました。
たとえば、
厨房の食材配置ひとつとっても、左利きのスタッフが使いやすいように考慮する。
伝票の導入を現場の声から決める。
こうした参加型のスタンスが、スタッフたちのアイデアを引き出し、
「自分がこの店の一部である」という感覚を育てていきました。
ルールは目的ではなく、心地よく働くための手段
組織でありがちな落とし穴に、「ルールを守ること」が目的化してしまうことがあります。
しかし、本来の目的はルールによって“みんなが気持ちよく働ける”ようにすることです。
私の店舗でも、
「あの人はできる」「この人はまだできていない」とラベルを貼ってしまいそうになる瞬間がありました。
しかし、目立たない人の中にも、「次は何をすればいいか」を自然と考え、行動している姿があったのです。
心理的安全性が、チームを強くする
重要なのは、誰もが意見を出せて、誰もが安心して働ける「心理的安全性」があることです。
トップダウンではなく、ボトムアップの意見が歓迎される空気は、人の主体性を育てます。
「新しいスタッフの中には、まだ自信がなかったり、
声を上げるのをためらっている人もいるかもしれません。
だからこそ、こちらから『何か困ってない?』『こういうのどう思う?』と声をかけていくことが大事なんです。
ルールは守ることが目的ではなく、皆が気持ちよく働けるための手段であり、
上司の姿勢や声かけ次第でチーム全体の空気が変わります。
・心理的安全性が、チームを強く、働きやすくするカギになる
・「みんなで決める」ことでチームの一体感が生まれる
・経験や年齢に関係なく、個々の良さが光る場をつくることが大事
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